
「お金だけで判断して失敗した経験はありませんか?」
日々の暮らしの中で、私たちは何かを選ぶとき「値段」で決めてしまうことがあります。



そこまで欲しかったわけでもないのに、セールになっていて勢いで買ってしまう… …。
私もよくやってしまいます。
しかしその選択が、後から大きな後悔につながった経験はないでしょうか。
- 安さを重視したら品質が悪くて結局買い直した。
- 転売ヤーに欲しかったものを買い占められた。
- 贈り物が高級すぎると気が引ける。
そんな経験があるなら、マイケル・サンデル氏の『それをお金で買いますか』は、あなたの中にある違和感を見事に言語化してくれるはずです。
下の目次から好きなところだけ読んでもOK!
市場主義の限界とは何か
私が学生の頃、「市場原理はすべてを解決する」という話を聞いたことがあります。
効率的で合理的な考え方だと理解しながらも、なぜか胸の奥に小さなひっかかりが残りました。



上手く否定できないけれど、素直に頷けない。
そんな違和感がありませんか?
それをお金で買いますか で語られるのは、その違和感の正体です。
マイケル・サンデル氏は「市場には限界がある」と主張します。
教育や医療など、金銭では測れない価値を市場に委ねると社会そのものが壊れていくのです。
要点を整理すると――
- 市場は便利で効率的。
- しかし、あらゆるものを金銭換算すると倫理が崩壊する。
- 公共の価値を守るために「ここから先は市場に任せない」という線引きが必要。
関連書籍として、アマルティア・セン氏の『不平等の再検討』をおすすめします。
お金が不平等を生むのは誰でもわかっていますよね。
では、お金以外は?



「不平等の再検討」では不平等を生み出すお金以外の要素を検証しています。
「それをお金で買いますか?」を読み、お金に意識を向けた後は、さらに視野を広げるのもいいですね。
なぜお金では測れない価値があるのか
社会に出て最初の仕事を選んだとき、私は給与ばかりに注目していました。



自分より稼いでいる友人に焦りを覚えたこともあります
結果として、仕事はこなせても心は満たされず、日々が苦痛になっていきました。
お金は大切。何をするにもお金がかかる。
ただ、お金とは違う価値を持ったものもある。
そこを混ぜてしまうのがよくないのです。
サンデル氏は「友情や信頼は市場で取引できない価値」だと説きます。
要点は次の通りです。
- 給与や価格は人を動かす一つの基準。
- しかし人生の満足度は「金銭以外の価値」で大きく左右される。
- お金に価値があることは認めつつ、
- お金では買えない価値に目を向けることで幸福度が高まる。



で、どうやればお金以外の価値が手に入るの?
お金は働けばでに入ります。
節約すれば手元に残り、口座を確認すれば数字として把握できる。
でも幸せや満足感は数値では表せません。
だからこそ、多くの人は気づかずに(あるいは見て見ぬ振りをして)過ごしてしまう。
私が読んだ中だと「DIE WITH ZERO」(ビル・パーキンス著)がダントツでオススメです!
と医療を市場に委ねる危うさ
私の友人がアメリカに留学していたとき、医療費の高さに衝撃を受けていました。
保険に入っていないと、わずかな診察でも数万円以上。
それをお金で買いますか 要約の中でも、サンデル氏は教育や医療を市場に委ねる危うさを強調しています。
これらは「人間の尊厳」に関わる領域であり、金銭的価値に還元できないのです。
要点をまとめると――
- 教育や医療は「市場の商品」ではなく「人の権利」。
- 市場原理に委ねると格差が拡大し、人々の希望を奪う。
- 社会全体の公平性を守る仕組みが不可欠。
「ふだんづかいの倫理学」(平尾昌宏氏)もオススメです。
どこまでお金に委ねるのか。
これは経済よりも倫理に関わる話ですよね。
でも、倫理をしっかり学んだ人は多くないはず。
私はこの本を読んで、倫理学へのハードルがなくなりました!



不幸な人生を避けるために必須の価値観だと思います。
市場社会で私たちが選ぶべき生き方
本書が教えるのは、市場社会が私たちの価値観そのものを変えてしまう危険性です。



好きで始めた趣味も、気づけばコスパのことを考えるようになった。
コスパを考えることは悪いことではありません。無駄な出費を抑えるためにも必要な考え方だと思います。
でもなぜか虚しさを覚えるのも事実。
お金というわかりやすい数字があらゆる判断の基準になる時代に、お金とは関係のない価値観を見極め、守る力が試されるようになる。
要点を整理すると――
- 市場社会では、金銭基準が人間の内面にまで浸透する。
- だからこそ「市場に任せるべきこと」と「お金と分けた方がいい価値」を見極める必要がある。
- 自分の生き方は市場に決めさせず、自らの判断で選ぶことが大切。



お金に使われるのではなく、お金を使う他にはどうすればいいのか?
お金に強くなるしかないですよね。
田内学氏の「君のお金は誰のため」はお金と社会について、優しい語り口で解説してくれる良書です。


まとめ
私たちの社会は便利さと効率を求めるあまり、大切な価値を見失いつつあります。
『それをお金で買いますか』を手に取れば、そのモヤモヤが鮮明に言葉となり、新しい視点が得られるはずです。
今すぐ読んで、自分の価値観をアップデートしてみませんか。
すでに読み終えた人はコチラ!
『それをお金で買いますか』をすでに読んだあなたへ。
さらに理解を深めたいなら、以下の関連書籍がおすすめです。



お金に振り回される人生って、嫌ですよね… …
田内学氏の「君のお金は誰のため」はストーリーを楽しみながら、お金や社会の仕組みを学べる良書です。
ぜひ読んでください!





お金の話ばかりで、ケチくさい人間にならないために
平尾昌宏氏の「ふだんづかいの倫理学」もオススメ。
有名な漫画などを例にしながら、倫理学を日常で使えるように解説してくれます。
人間関係のトラブルを避けるために必要な知識を手に入れましょう!



お金や人間関係を超えて、人生全体に関わるベストセラー!
ビル・パーキンス氏の「DIE WITH ZERO」を読んで、あなたの人生の価値を最大化してみませんか?



「不平等の再検討」では不平等を生み出すお金以外の要素を検証しています。
「それをお金で買いますか?」を読み、お金に意識を向けた後は、さらに視野を広げるのもいいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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