
「正しいことを選んだつもりなのに、他者から理解されなかった」そんな経験はありませんか?
私たちは日常の中で、小さな正義を判断する瞬間に直面しています。
誰かを助けるべきか、それとも自分を優先すべきか。
そんな迷いは、心の奥に澱のように残ります。
マイケル・サンデル氏の著書『これからの正義の話をしよう』は、その澱を言葉に変え、問い直す力を与えてくれる本です。
本記事では「自由だけでは幸せになれないのはなぜか」というテーマを、要点とともに解説していきます。
下の目次から好きなところだけ読んでもOK!
功利主義の限界とは
「より多くの人が幸せになれば、それが正しい選択だ」



異論のある人は少ないと思います。
もちろん私も賛成です。
しかし、功利主義の限界を突きつけるトロッコ問題を前に、「最大多数の最大幸福」は揺らいでしまいます。
犠牲になる一人の命を、数字で割り切れるのか。
マイケル・サンデル氏はその問いを通じて、「幸せの総量」だけでは正義を語れないと説きます。
要点は以下の通りです。
- 数字では測れない命の価値がある。
- 幸せの総量を最大化するだけでは、人間の尊厳を守れない。
- 問いを持ち続ける姿勢こそが重要。
「最大多数の最大幸福」をさらに深掘りするならこちらもオススメ
『功利主義入門』(J.J.C. スマート氏、バーナード・ウィリアムズ氏)



功利主義って聞いたことはあっても、詳しくは説明できない人がほとんど。
「功利主義入門」を読んで一歩進んだ知識を身につけましょう!
リバタリアニズムが描く自由の影
社会に出てから、私は「自己責任」という言葉に押しつぶされそうになったことがあります。
リバタリアニズムの思想は、個人の自由を尊重する一方で、孤独や格差を生みやすい側面を持ちます。
マイケル・サンデル氏は、その光と影を具体的に描き出しています。
印象に残ったポイントは以下の通りです。
- 自由は万能ではなく、社会の絆を弱めることもある。
- 自己責任論の裏に「支え合いの欠如」が潜む。
- 成功や失敗をすべて個人のせいにすることは危険。
関連書籍:『自由からの逃走』(エーリッヒ・フロム氏)



私たちは、自由を求めていない。
むしろ自由から逃げたくてたまらないのです。
自由を重んじる現代で生きる私たちには理解し難い主張ですよね。
でも、本書を読むことで「自分も自由から逃げてるぞ… …」と納得してしまう。
もしあなたが、「自由な人生」を求めているなら、必読の一冊です!


トロッコ問題が突きつける倫理の選択



トロッコ問題って、結局どうすればいいんでしょうか?
トロッコ問題は単なる思考実験ではなく、日常の選択に置き換えられるからです。
職場で一人を優先すれば、別の誰かが犠牲になる。
その瞬間、私の胸はざわめきました。
サンデル氏の解説から学べること。
- 倫理的選択には「正解」がない。
- 正義は、迷い続ける姿勢そのもの。
- 道徳的直感は人間関係に深く結びついている。
関連書籍:『道徳性の起源』(フランス・ドゥ・ヴァール氏)



動物に見られる道徳性をベースにすることで、私たちの道徳性を外から眺めるような一冊。
特にボノボの社会性は読み応え抜群です!
公共善を忘れた社会に未来はあるか



SNSを眺めていると「自分の自由ばかりを叫ぶ声」に疲れることはありませんか?
マイケル・サンデル氏は公共善の概念を重視し、コミュニタリアニズムの立場から「私たちが共に生きる意味」を問い直します。
みんなが自分の自由を主張すれば、衝突や摩擦は必ず起きます。
人間関係がギスギスするのは当たり前で、そんな社会から逃げるように、みんなが人間関係に見切りをつけて孤立していく… …。
平時ならそれでも大丈夫でしょう。
では、非常事態なら?



災害時の助け合いなど、地域とのつながりが輝く時ってありますよね
- 平和な時は個人でも生きていける
- でも非常事態では集団の力が必要。
- だから、公共善は個人の幸福にもつながる。
- 支え合いがなければ社会は弱体化する。
- 個人の自由と公共善は対立ではなく補完関係にある。
そもそも人は協力することで、歴史をきづいてきました。
世界的ベストセラーの「サピエンス全史」(ユヴァル・ノア・ハラリ著)を読むことで、集団の力を再認識することができます。



協力することがどれほど強力なのか。
世界の知識人はみんな知っている「認知革命」をあなたは知っていますか?


法と道徳の境界で揺れる心
私は以前、あるルールを守るかどうかで強い葛藤をしたことがあります。



法律的にはセーフでも「本当に正しいのか?」と心にひっかかりました。
マイケル・サンデル氏は法と道徳の境界を論じ、形式的な正しさと心の正しさの矛盾を示しています。



相手の言ってることが正しくても、納得できないこともありますよね
要点を整理するとこうなります。
- 法は社会秩序を守るが、それだけでは正義にならない。
- 道徳は人々の心の中に存在し、法を超えて働く。
- 正義は両者の間を揺れ動くものである。
まとめ
正義とは、答えを出すことではなく問い続けること。
マイケル・サンデル氏の『これからの正義の話をしよう』は、その第一歩を導いてくれる一冊です。



対立や批判から自分の身を守るためも、ぜひ読んでみてください!
すでに読み終えた人はコチラ!
ここでは『これからの正義の話をしよう』を読み終えた方におすすめの書籍を紹介します。
- 『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(マイケル・・サンデル氏)



世界中で売れたベストセラー。
努力を無駄する前に、ぜひ読んでほしい一冊です!


- 『功利主義入門』(J.J.C. スマート氏、バーナード・ウィリアムズ氏)



功利主義って聞いたことはあっても、詳しくは説明できない人がほとんど。
「功利主義入門」を読んで一歩進んだ知識を身につけましょう!
- 『自由からの逃走』(エーリッヒ・フロム氏)



私たちは、自由を求めていない。
むしろ自由から逃げたくてたまらないのです。


- 『道徳性の起源』(フランス・ドゥ・ヴァール氏)



動物に見られる道徳性をベースにすることで、私たちの道徳性を外から眺めるような一冊。
特にボノボの社会性は読み応え抜群です!



協力することがどれほど強力なのか。
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- 『サピエンス全史』(ユヴァル・ノア・ハラリ氏)


最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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