
暗いニュースばかりで、未来に希望を感じない
そんなときに出会ったのが、ユヴァル・ノア・ハラリの新作『NEXUS 情報の人類史』でした。
サピエンス全史から始まった人類史シリーズの集大成ともいえる本作は、「情報と人間社会の関係性」を軸に、今この瞬間をどう生きるべきかを問いかけてきます。
今回は『NEXUS』をこれから読む方のために、初心者でもわかりやすい形で内容とポイントを解説していきます。
ハラリが描く「NEXUS」とは何か?
ユヴァル・ノア・ハラリの新作『NEXUS』は、人間の歴史を「情報」の視点から描いた画期的な一冊です。
これまでの三部作と同様、物語は人類の誕生から始まり、宗教・国家・貨幣といった共同幻想を経て、現在のデジタル情報社会へとつながっていきます。
私はこの本を通じて、「私たちが信じているものはどこから来ているのか?」という問いに再び向き合わされました。
初心者でもわかるNEXUSのキーワード解説
「非有機的ネットワーク」「記録の力」「情報支配」など、難しそうに見えるキーワードも、実は私たちの生活に直結しています。
NEXUSは、技術的な知識がない読者でもわかりやすいよう、歴史上の出来事や具体例を通して説明しています。
特に印象に残ったのは「情報は道具ではなく、環境である」という視点。
情報に「使われる」のではなく、「使いこなす」意識が、現代を生きる上で欠かせないと実感しました。



情報といえば、養老孟司さんの著書「バカの壁」で個性は情報ではなく、体に宿る。
といったお話がありました。ネクサスとバカの壁。合わせて読むと面白そうですね!
コンピュータと政治の危うい関係
ハラリは、現代の政治において「コンピュータと情報」の役割が強まりすぎていることに警鐘を鳴らしています。
AIによる政策提案、SNSによる世論形成、データによる選挙戦略──それらすべてが、民主主義の根幹を揺るがしかねない現実です。
読んでいて怖くなったのは、「選択しているようで、選ばされている」感覚。
様々な研究が裏付けるように、私たちが感じている「自由意志」は錯覚かもしれない。



では私たちの選択は何によって決まるのか
これはもはや政治の話ではなく、私たち一人ひとりの「自由」の話なのだと強く感じました。
NEXUSが教えてくれた情報との向き合い方
本書の核心は、「情報は武器にもなるが、癒しにもなる」という点にあると思います。
私たちはスマホやSNSを通じて、日々膨大な情報を浴びていますが、それをどう捉え、どう使うかは自分次第です。
『NEXUS』を読んでから、私は「誰が、なぜその情報を発信しているのか?」を意識するようになりました。



例えば、この記事は「NEXUS」を読むサポートをするために書いています。
この姿勢ひとつで、情報に振り回されず、自分らしく考える力が育っていくのだと思います。
ハラリ作品の中でのNEXUSの位置づけ
『NEXUS』は、『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21Lessons』の流れを受けた最新刊。
これまでの著作は人類が主役でしたが、今作は情報が主役。
現実でも私たち人類からAIなどの情報へと主役の座が移ってしまうのか、そんな未来を探る本になります。
私自身、読み終えたとき、「これから何を選び、どう生きるか」がより具体的に見えてきた気がしました。
まとめ:情報に流されず、自分の軸を持つために
今、世界では情報が洪水のように流れ続けています。
その中で、何を信じ、どう判断し、どう行動するかは、すべてあなたの「情報リテラシー」にかかっています。
ハラリの『NEXUS』は、知識だけでなく“視点”を与えてくれる一冊。
「情報に支配されるのではなく、情報を理解して共存する」──そんな未来への第一歩として、ぜひ手に取ってみてください。
すでに「NEXUS」を読んだなら、次はコレを読むべき!




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